パン作りの基本の材料【小麦粉】

コラム

日本では、パン・お菓子・麺など、小麦粉から作られる食べものの種類がとても多いです。
家庭用で販売されている小麦粉は薄力粉・中力粉・強力粉などがあります。

では、パン作りに適した小麦粉はどれでしょう?

粉の違いを知ることで、これからのパン作りがより楽しくなります。

小麦粉の成分

小麦粉は小麦の種を細かく砕いたもの。
種は外皮(種皮)、胚芽、胚乳でできていて、この胚乳部分を細かくしたものが白い小麦粉です。
小麦粉の主成分は糖質(デンプン)とたんぱく質。

小麦粉の成分
☑デンプン 70~76%
☑たんぱく質 6.5~14.5%
☑灰分
☑水分

デンプンが成分の大半を占めていますが、パンやお菓子、麺などを作るときに、仕上がりに大きな影響を与えるのは、使用する小麦粉にたんぱく質がどれくらい含まれているのかということです。

パンでは、たんぱく質の量がわずかコンマ数%違うだけで、ボリュームや食感に差が出ます。
そのため日本では、たんぱく質が含まれている量によって小麦粉を分類しています。

たんぱく質量と用途

小麦粉に含まれるたんぱく質の量と、粉別のおすすめ用途を表にまとめました。

種類たんぱく質量用途
薄力粉6.5~8.5%お菓子、天ぷらなどの料理
中力粉8.0~10.5%うどんや中華麺など麺類
準強力粉10.5~12.5%フランスパンなどハード系のパン
強力粉11.5~13.5%主に菓子パンや調理パンなど
最強力粉13.5~15%ボリュームのある食パンなど

パン作りに欠かせないもの

パンの生地をこねると、押し戻すような弾力が感じられます。
それを作り出しているのは小麦粉のグルテンです。

グルテンは小麦粉と水分を混ぜて、こねるなどの刺激を与えることで
たんぱく質内の「グルアジン」と「グルテニン」が結びつき、「グルテン」になります。

グルテンは粘性と弾力性を持ちます。
そしてイーストが発生させた炭酸ガスをキャッチし、このガスによって内側から押し上げられ生地が膨らみます。

強力粉のたんぱく質には、薄力粉に比べてより強いグルテンを形成する性質があるので、パン作りに適しているといえます。

粉によって味が違う?!

小麦粉の成分の一つ、灰分。
「かいぶん」または「はいぶん」と読みます。
製菓・製パン材料の店頭に並ぶ小麦粉には、灰分量も表示されています。

灰分とは…
小麦が完全に燃焼したとき、糖質や脂質、たんぱく質が飛んでなくなり、残ったもの。

灰分は、鉄やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分です。
この灰分量が多いほど味を強く感じます。

0.5%前後を超える灰分量は味が強いと感じます。

まとめ

☑ふわふわパン
☑ボリュームのあるパン
☑弾力のあるパン

  →たんぱく質量が多い粉

☑素材の味を生かす
☑香ばしいパン
☑風味がいいパン

  →灰分量が多い粉

たんぱく質量でこね具合や仕上がりが、
灰分量で味わいが変わります。

ただ一つ注意が必要なのが、たんぱく質量が多くて、灰分量も多い粉。(全粒粉など)
こういった粉はとても味が強く、扱いづらいです。
強力粉全量に対して、30%ほどに留めておくのがおすすめです。

「強力粉」の中でも銘柄によって成分に幅があります。
様々な種類を試して自分の好きな粉を見つけるのも楽しいかもしれませんね。

教室近くにある製菓・製パン材料のお店

当教室から比較的近い場所にある製菓・製パン材料のお店をご紹介します。
リンク先はお店の地図になります。

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